春になると、あちらこちらの花壇で見かけるチューリップ 。土に植えて育てる他に、水で育てる方法があります。普段は見られない根っこの様子を観察できるなど、鉢植えとは違う楽しみも。やり方にいくつかポイントがあるので、順を追って解説します。
水耕栽培とは
土を使わず、容器に水を張り、根が出る部分を水に浸して育てる方法です。

これは、ジャムの空き瓶に水を入れて、球根を置いた状態です。たったこれだけ?と思うかもしれませんが、容器はなんでも良いわけではありせん。

チューリップ の球根選び
球根は土に植える用として売られているもので大丈夫です。球根は9月から販売が始まります。出来るだけ大きく、傷がない、触った感じフニャフニャしていない、皮にツヤがあるものを選ぶと良いです。
12月中旬(神奈川県東部では)まで売られていますが、後半まで残っているのは、小ぶりのものが多いです。
水耕栽培については、球根の大きさがカギとなります、超特大級など、大きい球根を選ぶことをおすすめします。
水耕栽培を始める前に大事な準備
チューリップは冬の寒さに当たってからでないと、花芽(花をつける芽)が出ない植物です。
屋外の土に植える場合は、秋(紅葉の見頃)に植えます。土の上にはまだ何も出て来ない時期、この時に寒さに当たっているんですね。
水で育てる場合には、一度冬を経験してもらう必要があるので、紙封筒に入れて1ヶ月ほど、冷蔵庫の野菜室に入れます。
1ヶ月が過ぎ、封筒から出しても、特に変化はありません。
水につける前に、外側の皮をむきます。(皮が水に浸かって腐らないよう)
球根を栽培容器にセットする
冷蔵庫から出した球根の根が出る部分が、しっかり水に浸かるように容器にセットし、寒くて暗い場所に置きます。

3日目くらいから根が出始め、6日目には写真のように、芽も伸びてきます。(日中8℃〜9℃くらいの暗い部屋に置いていました。)
室内で日の当たるところに移動する
芽と根がしっかり伸びてきたら、日の当たる場所に移動させます。だだし、暖房や直射日光は避けます。

栽培開始から24日目に日の当たる窓辺に置きました。
チューリップ を水耕栽培で育てるポイント
- 大きくて傷やへこみのない球根を用意する。
- 球根の根が出る部分を、確実に水に浸せる容器を選ぶ。
- 球根を1ヶ月ほど冷蔵庫に入れ、冬を経験してもらう。
- 球根の皮をはぐ。
- 芽と根が出るまでは、暗く寒い室内の場所で栽培。
- 芽と根が伸びてきたら、明るい場所へ移動する。
- 根が伸びるにしたがい、水位を下げる(根に酸素を送るため)
- 水は毎回交換し、容器にぬめりがあれば、よく洗う(週一以上のペースで、様子を見ながら)
途中経過と工夫


瓶にのせただけの球根が、葉や茎の重さで転がらないよう、ペットボトルを一部切り取り、コルセットのように巻いて、テープで止めました。


茎が傾いて折れてしまわないよう、根元の部分でストローを三角に組んで固定しました。


おわりに
水で育てる楽しみは、なんといっても変化を毎日見られることではないでしょうか?
大きな球根は、花を咲かせるまでの養分をたっぷり蓄えていて、芽を出す様子など、とても力強さを感じます。
身の回りの容器で、気軽に始められるのが水耕栽培の良いところです。1本のチューリップを室内で育てるのは、たくさん土に植えるのとはまた違った面白さがあります。
ぜひ、チューリップの水耕栽培も楽しんでみてください。

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